新生児が寝ないのは普通?夜通し起きる理由と解決策

新生児は1日の大半を眠って過ごすと言われますが、実際には「全然寝ない」と悩む家庭は非常に多くあります。医療・育児の専門家による研究でも、睡眠リズムが安定するのは生後3〜4ヶ月が一般的とされています。本記事では、科学的根拠と専門的な視点から「なぜ寝ないのか」「どこまでが正常なのか」「どんなケアが有効か」を体系的に解説します。正しい理解が、不安を大きく減らしてくれます。

新生児が寝ないのはよくあること?基本の理解

新生児の睡眠時間の目安

新生児は1日の約16〜18時間を眠って過ごすと言われていますが、この数字はあくまで“合計時間”であり、長くても2〜3時間ごとに細かく目を覚まします。生まれて間もない赤ちゃんは体内時計(サーカディアンリズム)が未発達のため、大人のように昼と夜を区別して眠ることができません。また、胃も小さく、こまめな授乳が必要なため、短時間睡眠と覚醒を繰り返します。つまり、新生児が長時間まとめて寝ないのは“仕様”とも言える自然な姿です。実際、育児書や小児科医の見解でも、睡眠リズムが安定するのは生後3〜4ヶ月頃が一般的とされています。まずは「寝ない=異常」ではない、と理解することが不安を軽減する第一歩です。

新生児が寝ないのは普通?どこまでが正常?

「うちの子だけが全然寝てくれないのでは…」と不安になる親御さんは多いですが、多くの場合“正常の範囲”です。新生児期は個人差が非常に大きく、よく寝る赤ちゃんもいれば、刺激に敏感で起きやすい赤ちゃんもいます。また、睡眠が浅いレム睡眠の割合が高いため、少しの音や体の動きで簡単に目を覚まします。正常の範囲内かどうかを見る目安としては、機嫌が大きく悪くない、授乳や排泄が問題ない、体重がしっかり増えている、などが挙げられます。これらができていれば、「寝ない=問題」と考えなくても大丈夫です。ただし、泣き止まない/常にぐずぐずしている/授乳ができないなど気になる点がある場合は、小児科や助産師に相談すると安心です。

新生児が寝ない主な原因

お腹が空いている・ミルク量が足りない

新生児の胃はとても小さく、一度に飲めるミルク量も限られています。そのため、2〜3時間ごとにお腹が空きやすく、空腹で眠れない・すぐ起きてしまうという状況がよくあります。特に母乳のみの場合、量が目に見えないため、「ちゃんと飲めているのかな?」と不安になることも。授乳後にすぐ泣く、飲みながら寝落ちしてしまう、吸っている時間が短いなどは満腹でないサインの場合があります。授乳間隔を気にしすぎず、赤ちゃんが欲しがるタイミングでこまめに授乳する“頻回授乳”は、新生児期にはとても有効です。また、ミルク育児の場合は規定量にこだわりすぎず、赤ちゃんの機嫌や吐き戻しの様子を見ながら、適度に増減させることも安心につながります。

体の不快感(暑い・寒い・おむつ・ゲップなど)

赤ちゃんが寝つきにくい大きな原因のひとつが“体の不快感”です。新生児は体温調整が未発達なため、少しの暑さや寒さでも眠りが浅くなります。特に冬場は着せすぎ、夏場は冷房の効きすぎが原因になることが少なくありません。また、おむつが濡れている/うんちが肌に触れているなどの軽い不快感でも寝ないことは多いです。さらに忘れがちなのが、授乳後のゲップ。お腹に空気が残ったまま横になると苦しくて泣いてしまい、寝られない原因につながります。ゲップが出ていない場合は数分縦抱きし、それでも出なければ無理せず、背中を丸める姿勢で寝かせるなど工夫するのがおすすめです。不快感を一つずつ取り除くことで、眠りやすい状態に整えることができます。

昼夜逆転になっている

新生児は生まれた直後、昼夜逆転を起こしやすい時期です。これは“体内時計がまだ整っていない”ため自然に起こる現象ですが、昼間に長時間寝て夜に起きてしまうと、親がとても辛くなります。昼夜逆転を改善するには、赤ちゃんが昼間に自然光を浴びられる環境を作ることが効果的です。カーテンを少し開けて日中は明るい部屋で過ごし、夜は照明を落として静かな雰囲気を作ることで、昼と夜の違いが少しずつ分かってきます。また、昼寝が長すぎる場合は、様子を見ながら抱っこで短めに切り上げることも改善につながります。ただし、強制的に起こす必要はありません。少しずつ生活環境を整えることで、自然と夜眠るリズムへ向かっていきます。

過刺激・興奮している

新生児はまだ刺激処理能力が低く、少しの刺激でも脳が興奮して眠れなくなることがあります。来客が多かった日、外出時間が長かった日、テレビやスマホの光が多い環境など、ほんの些細な刺激でも寝つきに影響します。また、お風呂の時間が遅すぎたり、寝る直前に強い刺激が入ると眠りにくくなることも。赤ちゃんが“目が冴えてしまっている”状態では、どれだけ抱っこしても寝ないことはよくあります。対策としては、日常のリズムを整える・刺激を与えすぎない・寝る前の部屋を少し暗くして静かに過ごす、などがあります。興奮しているサイン(手足をバタバタ、目がパッチリ、声が高いなど)を見逃さず、落ち着く時間を作ってあげることが大切です。

成長過程によるもの(脳の発達・モロー反射)

新生児期は脳が急速に発達しているため、眠りが安定しないことは自然な現象です。その象徴が“モロー反射”と呼ばれる、寝ている最中に手足がビクッと動く反応。大人から見れば「びっくりして起きちゃった…!」という感じですが、これは赤ちゃんの神経システムが発達している証拠でもあります。また、眠りの浅いレム睡眠が多いのも特徴で、ほんの少しの刺激でも目を覚ましやすいのです。これらは成長とともに徐々に落ち着き、生後3〜4ヶ月頃には睡眠の質が安定してきます。「寝ないのは性格ではなく、発達の過程」と理解できると、親のストレスが大幅に軽減されます。おくるみで体を包んで安心感を与えることも、モロー反射対策として非常に有効です。

すぐに試せる寝かしつけ対処法

抱っこじゃないと寝ない時の対策

新生児は抱っこされると安心し、布団に置くと不安になって泣いてしまうことがあります。これは“抱かれると心拍や体温、揺れが心地よく、安心ホルモンが分泌される”ためです。抱っこでしか寝ない場合は、無理に布団へ置こうとせず、まず“眠りが深くなるまで待つ”のが効果的。寝落ち後10〜15分ほど経つと深い眠りに入り、布団に置いても起きにくくなります。また、背中スイッチ対策として、布団に置くときはお尻→背中→頭の順にゆっくりと接地させると成功率が上がります。おくるみを使って体を丸める姿勢を保つのもおすすめ。「抱き癖がつくのでは?」と心配されることもありますが、新生児期は抱かれることで安心感が満たされ、むしろ睡眠が安定しやすくなります。

寝る環境(室温・光・音)を整える

新生児が寝やすい環境を作ることは、寝かしつけの大前提です。室温は20〜25度、湿度は40〜60%が目安で、特に暑さには敏感なため注意が必要です。照明は白色よりも暖色系の暗めの光が適しており、寝る前にはテレビや強い光を避けるのが効果的。音に関しては、完全な無音よりもエアコンや換気扇などの“ホワイトノイズ”が安心感につながりやすいとされています。また、寝床の硬さや肌触り、衣服の締め付けも睡眠の質に影響します。寝ぐずりが多い場合は、眠くなるサイン(目をこする、あくび、体が重くなる)を見逃さず、早めに寝かしつけに取りかかるのもポイントです。環境を整えるだけで、寝つきが驚くほど改善されることもあります。

ミルク・授乳のリズムを見直す

睡眠と授乳には密接な関係があります。授乳のリズムが整わないと、赤ちゃんが眠るタイミングも不規則になりやすく、寝ぐずりの原因になります。新生児期はまだ時間で管理する必要はありませんが、“飲んだ→起きた→遊んだ→眠る”というゆるいサイクルを意識すると睡眠リズムが整いやすくなります。寝つきが悪いときは、授乳量が少ない・飲み残しが多い・授乳時に寝落ちしてしまう、などの原因も考えられます。また、授乳後にしっかりゲップが出ているかもチェックしましょう。母乳の場合は頻回授乳が自然であり、泣いたら飲ませてもOKです。ミルクの場合は、赤ちゃんの飲むペースと機嫌を見ながら量を調整することで、睡眠が安定しやすくなります。

モロー反射対策(おくるみ・スワドル)

モロー反射は新生児の睡眠の大敵ですが、対策をするだけで眠りが大きく改善することがあります。もっとも代表的なのがおくるみ(スワドル)。赤ちゃんをしっかり包むことで、手足のびっくり反応が抑えられ、安心して眠れるようになります。スワドルは伸縮性があるものが使いやすく、巻き方に慣れれば寝かしつけの成功率が大幅にUPします。また、包まれることは子宮内の環境に似ているため、赤ちゃんにとって非常に落ち着く姿勢です。ただし、暑さや締め付けすぎには注意が必要で、季節に合わせた素材選びが重要です。モロー反射は生後3〜4ヶ月で自然に軽減していきますが、それまでの間はおくるみを活用することで、夜間の中途覚醒を大きく減らすことができます。

夜中に寝ない・ずっと起きている時の対処

まとまって寝ない時に試したい方法

夜にまとまって眠ってくれない時は、まず昼間の過ごし方を見直すのが効果的です。日中に十分な明るさの中で過ごし、軽い刺激(声かけ、抱っこ散歩など)を与えることで、夜に眠りやすくなります。また、夕方以降は刺激を減らし、照明を暗めに切り替えると、赤ちゃんの体内時計が整いやすくなります。さらに、寝る前のルーティン(沐浴、授乳、抱っこ、寝室に移動など)を毎日同じ順番で行うと、「そろそろ寝る時間だ」と赤ちゃんが理解しやすくなります。特に新生児は習慣づけが効果的で、毎日同じ流れを繰り返すことで睡眠の質が安定していきます。ただし、泣くことを無理に抑えたり、過度に眠らせようとする必要はありません。ゆったりした気持ちが結果的に睡眠改善につながります。

夜間の泣きが止まらない時のチェックポイント

夜中に泣き止まないと、親は大きな不安を抱きますが、まずは原因を一つずつ確認していくことが大切です。「お腹が空いていないか」「おむつは汚れていないか」「暑すぎないか寒すぎないか」「ゲップは出ているか」など、基本的なポイントをまずチェックしましょう。また、寝る前の刺激が強すぎた・環境が明るい・音が気になるなどの外的要因も泣きの原因になります。どうしても泣き止まない場合は、抱っこや深呼吸をしながら、赤ちゃんが落ち着くのを待つことが最善です。泣き続ける姿を見るのは辛いですが、“泣くのも仕事”という時期であり、成長の一部でもあります。抱っこ紐で軽く揺らしたり外の空気を吸わせることで落ち着くことも多いです。

ママ・パパのメンタルケア

寝ない新生児にイライラしてしまう時の対処

新生児が寝ない日々が続くと、どんな親でもイライラしたり、涙が出るほど辛くなることがあります。まず大切なのは、「イライラする自分を責めないこと」。睡眠不足はメンタルに大きく影響し、冷静な判断が難しくなります。そんなときは、赤ちゃんを安全な場所に置き、数分だけ深呼吸をしたり、部屋を離れて気持ちをリセットすることが大切です。また、「寝ないこと=自分のせい」と考えず、生後1〜2ヶ月は寝ないのが普通だと捉えることで、心が軽くなります。パートナーや家族に10分だけでも抱っこを代わってもらう、家事を手放すなど、自分を守る工夫も必要です。親が心地よい状態でいることが、結果的に赤ちゃんにも良い影響を与えます。

一人で抱え込まないためのサポート活用法

育児は一人でやるものではありません。しかし、日本では「一人で頑張りすぎてしまう」親が非常に多いと言われています。寝ない赤ちゃんに向き合っていると心が限界になることもあるため、早めにサポートを取り入れることが大切です。地域の助産師訪問サービス、子育て支援センター、一時預かり、オンライン育児相談など、利用できる支援は数多くあります。また、SNSで同じ悩みを抱えるママ・パパの声を聞くだけでも救われることがあります。「助けて」と言うことは弱さではなく、赤ちゃんのためにもなる大切な行動です。少し手を借りるだけで気持ちが大きく楽になり、結果として育児に向き合う余裕も戻ってきます。

病院に相談すべきケース

受診が必要な“寝ない”サイン

基本的に新生児が寝ないのはよくあることですが、以下のような場合は一度医師に相談することをおすすめします。「授乳量が極端に少ない」「体重が増えない」「泣き方がいつもと違う」「顔色が悪い」「呼吸が荒い」「発熱がある」などは、体調不良が隠れているサインの可能性があります。また、ずっと機嫌が悪い、抱っこしても泣き止まない、眠ってもすぐに苦しそうに起きるなども注意が必要です。赤ちゃんは言葉で伝えられないため、ちょっとした変化に気づくことが大切です。不安なときは「念のため相談」でも構いません。医師や助産師のサポートを受けることで、安心して育児に取り組むことができます。

いつまで寝ないと心配すべき?

新生児期(生後0〜1ヶ月)は寝ないことが当たり前であり、心配はいりません。しかし、生後2〜3ヶ月頃になっても極端に寝ない・常に機嫌が悪い・睡眠が著しく途切れるなどの場合は、一度医療機関に相談してみると安心です。一般的には生後3〜4ヶ月頃から睡眠リズムが整い始め、夜に長く眠る赤ちゃんも増えてきます。それでも改善が見られない場合は、アレルギーや消化機能の問題、寝る姿勢の不快感などが影響していることもあります。親御さんが「何かおかしい」と感じる直感はとても大切です。心配なときは抱え込まず、早めに専門家に相談しましょう。

よくある質問

新生児はいつから長く寝るようになる?

一般的に、生後3ヶ月を過ぎる頃から睡眠リズムが徐々に整い、夜に4〜6時間続けて眠る赤ちゃんも増えてきます。ただし、個人差が大きく、生後6ヶ月頃まで安定しないケースも珍しくありません。長く寝られるようになるためには、昼夜の区別をつける環境づくりが大きく影響します。朝はカーテンを開けて明るい場所で過ごし、夜は照明を落として静かな時間にすることで、自然と体内時計が整っていきます。また、授乳リズムや昼間の活動量も睡眠に影響するため、生活全体を少しずつ整えていくことが大切です。

夕方からぐずって寝ない理由は?

夕方になると急にぐずり始め、なかなか寝てくれない“黄昏泣き”は、多くの新生児に見られる現象です。日中の刺激が蓄積し、脳が疲れて興奮状態になってしまうことで起きると言われています。また、夕方は気温が変動しやすく、空腹や眠気が重なりやすい時間帯でもあります。対策としては、夕方の授乳を少し早めにしたり、暗めの部屋で静かに過ごすなど、“刺激を減らす工夫”が有効です。お風呂の時間を17〜18時頃にすると眠りに入りやすくなる赤ちゃんも多いです。黄昏泣きは成長の一過程であり、生後3〜4ヶ月頃には自然に落ち着いていきます。

抱き癖はつくの?

「抱き癖がつくからあまり抱っこしないほうがいい」と言われることがありますが、新生児期に関しては心配ありません。むしろ、新生児は抱っこされることで安心感を得て、情緒が安定しやすくなります。抱っこをされたことで睡眠が整うケースも多く、必要なスキンシップとして推奨されています。確かに成長が進むと、抱っこを好む赤ちゃんもいますが、それは“甘え”ではなく“信頼関係が育っている証拠”でもあります。新生児期はできるだけ安心させてあげることで、結果的に睡眠リズムや生活リズムが整いやすくなります。

まとめ

新生児が寝ないのは、決して珍しいことではありません。体内時計が未発達で、刺激に敏感で、空腹や不快感にも影響されやすいため、眠りが安定しないのは自然な現象です。原因を一つずつ理解し、環境づくり・授乳リズム・寝かしつけの工夫を取り入れるだけでも、状況は大きく改善していきます。また、親のメンタルケアも非常に重要で、一人で抱え込む必要はありません。不安があれば専門家に相談しながら、赤ちゃんと一緒に少しずつリズムを築いていきましょう。「寝ない時期」は必ず終わります。焦らず、ゆっくり向き合っていくことが大切です。

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